犬は感じていることの多くを体で表しています。しっぽ、耳、目、口、全体の姿勢をまとめて見て、そのときの状況と照らし合わせれば、少しずつ読み取れるようになります。ひとつのサインだけで意味が決まることはありません。振っているしっぽがいつも友好的とは限らず、あくびがいつも眠気とは限りませんが、はっきりした状況の中で複数のサインが重なれば、たいていは一貫した気持ちが見えてきます。
ひとつのサインではなく、組み合わせで読む
いちばん多い失敗は、ひとつの特徴だけを取り出して意味を決めてしまうことです。しっぽを振りながらも体がこわばり、じっと見つめている犬と、しっぽを振りながら体がゆるみ、目を細めている犬とでは、伝えていることがまったく違います。
より確実なのは、1〜2秒で犬を鼻先からしっぽまでざっと見渡し、次の三つを確かめる習慣です。
- 体はゆるんでいるか、こわばっているか。 リラックスした犬は曲線的に動きます。緊張した犬は動きを止め、まっすぐ硬く立ちます。
- 前に乗り出しているか、引いているか。 体重が前にかかっていれば興味や自信、後ろにかかっていれば警戒やその場を離れたい気持ちを示します。
- 直前に何があったか。 初めての来客、頭の上から伸びてくる手、大きな音、散歩の終わりなどによって、同じサインでも読み方が変わります。
自分の犬の「ふだんの状態」を知っておくことも役に立ちます。しっぽを高く掲げる犬種もあれば、耳がまったく立たない犬種もあり、本人はすっかりくつろいでいるのに心配そうな顔に見える犬もいます。ほかの犬の写真ではなく、この基準からの変化を読み取りましょう。
しっぽ:高さ、硬さ、振り方
しっぽは真っ先に目に入るサインであり、もっとも誤解されやすいサインでもあります。
- 高さ。 その犬本来の中くらいの高さにあるしっぽは、たいていリラックスした状態です。高く上げて動かさない場合は、興奮や警戒、自信を示すことが多いでしょう。低く下げている、または後ろ脚の間に巻き込んでいる場合は、不安や恐怖を示すのが一般的です。
- 硬さ。 ゆったり揺れるしっぽと、硬く張って先だけが震えているしっぽは別物です。硬く、高く、小刻みに速く動くしっぽは、強く集中していて反応する寸前かもしれない犬に見られます。
- 振り方そのもの。 腰まで一緒に揺れる大きくゆったりした振り方、ときに円を描くような振り方は、典型的な友好のあいさつです。体のほかの部分がこわばったままの短く速い振り方は、興奮や緊張であり、歓迎とは限りません。
しっぽを振るのは、主に犬が何かに気持ちを向けているという意味です。それがうれしさなのか、不安なのか、いらだちなのかは、体のほかの部分が教えてくれます。
耳と目:やわらかい視線と硬い凝視
垂れ耳の犬種は耳が読みにくいものの、耳の付け根の動きは観察できます。
- 自然な位置の耳は、落ち着いた犬に見られます。
- 前に向けてピンと立った耳は注意を示します。何か気になる音や物に気づいたところです。
- 後ろに引いた耳や伏せた耳は、特に頭が下がっているとき、不安や相手をなだめる気持ち、恐怖を示すことがよくあります。
目は、犬の顔の中でもっとも正直な部分であることが多いものです。
- やわらかい目はリラックスしていて少し細められ、まばたきがあり、視線があちこちに移ります。安心している犬の目です。
- 硬い凝視は、まばたきせずにまっすぐ見据える視線で、体の動きが止まることもよくあります。物を守ろうとしている、警告している、強く集中しているといった可能性があり、犬との距離をとるのに適したタイミングです。
- **ホエールアイ(くじら目)**は、顔はそむけたまま目だけで何かを見ているため、白目が三日月形に見える状態です。抱きしめられているときや、おもちゃやフードボウルに近づかれたときなど、犬が居心地の悪さを感じている場面でよく見られます。
ふつうの明るさで瞳孔が大きく開いている場合も、ストレスや強い興奮のサインであることがあります。
口と姿勢、そしてプレイバウ
リラックスした口はたいてい少し開いていて、舌はやわらかく、少し見えていることもあります。口をぎゅっと閉じる、口角が後ろに引かれる、暑さや運動のせいではないのに激しくハアハアする、といった様子が見られたら、気分が変わっていることが多いでしょう。
唇をめくり上げる、鼻にしわを寄せる、歯を見せるといった仕草ははっきりした警告です。うなり声も同じです。こうしたサインは、事態が悪化する前にお互いが引くきっかけになる大切なものなので、叱るより尊重するほうがよいでしょう。
姿勢は、これらすべてをまとめて見せてくれます。
- ゆるくてくねくねしている: 友好的でくつろいでいる。
- 背が高く硬く、前のめり: 警戒している、自信がある、あるいは挑んでいる。
- 低く身をかがめる、丸くなる: 落ち着かない、怖がっている、小さく見せようとしている。
- 仰向けになる: お腹をなでてほしいというくつろいだお願いのこともあれば、自信のない犬が相手をなだめるための仕草のこともあります。体がゆるみ表情がやわらかければ前者、こわばりやしっぽの巻き込みがあれば後者の可能性が高いでしょう。
プレイバウは、もっとも見分けやすいサインのひとつです。前脚を前に伸ばして胸を低くし、お尻を高く上げ、弾むような大げさな動きを伴うことがよくあります。遊びへの誘いであり、遊びの最中にも「今のは本気じゃないよ」と伝えるために使われます。緊張をほぐすためにこのポーズをとることもあるので、その後の行動にも注目しましょう。
見落とされがちな静かなストレスサイン
犬はうなったり歯を当てたりする前に、居心地が悪いことを示す小さく見落としやすいサインを出すのがふつうです。こうしたサインはカーミングシグナルやストレスサインと呼ばれることが多く、早めに気づくことは、飼い主が身につけられるもっとも実用的なボディランゲージのスキルです。
- 近くに食べ物がないのに唇をなめる、舌をペロッと出す。
- 動物病院や体を触られているときなど、眠くないはずの場面であくびをする。
- 人や犬を見ないように、顔や体全体をそむける。
- やりとりの最中に急に地面のにおいをかぎ始める。
- ぬれていないのに、水を切るようにブルブルと体を振る。緊張した場面のあとによく見られます。
- 前脚を片方上げる、固まる、とてもゆっくり動く。
- 体をかく、別のことに気をとられているふりをする。
どれも、それ自体はごくふつうの行動であり得ます。水を飲んだあとに唇をなめたり、本当に疲れてあくびをしたりもします。大切なのはタイミングと繰り返しです。何かが変わった直後にこうしたサインがいくつも重なったら、犬はもっと距離を置いてほしい、プレッシャーを減らしてほしいと伝えています。一歩下がる、やりとりを終えるなどして距離をとってあげるほうが、声をかけてなだめたり抱き寄せたりするよりも、たいていは効果的です。
ストレスサインが頻繁に見られる、最近になって現れた、その犬らしくない、あるいは食事や睡眠、動き方の変化を伴う場合は、獣医師に相談してみるとよいでしょう。
犬のボディランゲージ早見表
出発点として使い、必ず状況やその犬のふだんの状態と合わせて読んでください。
| 体の部位 | リラックス・友好的 | 警戒・興奮 | 不安・ストレス |
|---|---|---|---|
| しっぽ | 自然な高さ、ゆるい、大きな振り | 高い、硬い、短く速い振り | 低い・巻き込む、動きが少ない |
| 耳 | 自然な位置 | 前に向けて立つ | 後ろに引く・伏せる |
| 目 | やわらかい、まばたき、細める | じっと見据える、集中、硬い凝視 | ホエールアイ、目をそらす、瞳孔が開く |
| 口 | 少し開く、やわらかい舌 | 閉じる、こわばる | 唇をなめる、あくび、口角を引く |
| 姿勢 | ゆるい、曲線的、くねくね | 背が高い、静止、体重が前 | 低い、身をかがめる、体重が後ろ |
見たことと鳴き声を組み合わせる
ボディランゲージと声はいっしょに現れることが多く、その両方に気づくことも、犬と知り合っていく楽しみのひとつです。Dog Translator は、声の側面を遊び心たっぷりに加えてくれます。「吠え声を言葉に」では、犬が吠えている間マイクを長押しすると、アプリが 24 種類の感情のひとつに合わせて、犬自身の口調で書かれた短い文で答えます。
アプリが聞くのは吠え声で、残りはあなたの目の役目です。アプリのユーモラスな答えと、そのときのしっぽや耳、姿勢が伝えていることを比べてみてください。数分間じっくり愛犬を観察する気軽なきっかけになり、まさにその習慣こそが読み取る力をいちばん伸ばしてくれます。Dog Translator は無料でダウンロードでき、高度な機能はオプションの Premium サブスクリプションで利用できます。
よくある質問
しっぽを振っていれば、犬はいつも喜んでいるのですか?
いいえ。しっぽを振るのは、犬が何かに気持ちを向けている、または興奮しているという意味で、友好的という意味ではありません。体がリラックスした状態での大きくゆったりした振り方はたいてい歓迎のサインですが、硬く高い位置での速い振り方は緊張を示していることがあります。
犬があくびをしたり唇をなめたりするのは、どういう意味ですか?
単に眠い、または食べたばかりというだけのこともあります。体を触られているときや知らない人に会ったときなど、緊張した場面で見られる場合は、軽いストレスのサインであることが多く、少し距離をとる合図と考えるとよいでしょう。
愛犬が白目を見せるのはなぜですか?
この「ホエールアイ」は、抱きしめられているときや大切な物に近づかれたときなど、犬が居心地の悪さを感じているときによく見られます。少し距離をとってあげるのが、たいていはいちばんやさしい対応です。
愛犬のボディランゲージがわかるようになるまで、どれくらいかかりますか?
多くの飼い主は、注意深く観察を続けると数週間ほどで傾向に気づき始めます。まず落ち着いている場面をよく見ておくと、興奮やストレスがかかった場面での変化がずっと見つけやすくなります。
Dog Translator チームが AI の支援を受けて執筆しました。Dog Translator に関する内容はアプリそのものに基づいています。他のアプリのメニュー名はバージョンによって変わることがあります。