犬に「マテ」を教えるには、すでに知っている姿勢をとらせ、その姿勢を 1〜2 秒保てたらごほうびを渡し、毎回かならず解除の言葉で終わらせます。こうすることで、犬は「マテ」がいつ終わるのかをはっきり理解できます。そのうえで、続ける時間、飼い主との距離、まわりで起きていることのうち、一度に一つだけを少しずつ伸ばしていきます。ごほうびは犬を呼び寄せて渡すのではなく、飼い主が犬のところへ戻って渡し、犬がほとんど途中で立たないくらい小さなステップで進めましょう。
「マテ」が犬に本当に求めていること
「マテ」は芸というより約束です。「私が別の指示を出すまで、この姿勢のままでいてね」という約束です。犬は、飼い主が動いても、時間が過ぎても、まわりで何かが起きていても、じっとしていなければなりません。好奇心の強い動物にとって、どれも自然にできることではありません。
この約束をわかりやすくするのが、次の二つです。
- スタートの姿勢。 多くの人は「オスワリ」か「フセ」の状態から「マテ」を教えます。長く待たせるときは、楽な姿勢でいられる「フセ」のほうが一般的に簡単です。
- 解除の言葉。 「よし」「OK」「フリー」など、ふだんの会話で使わない短い言葉を選びます。意味は「もう動いていいよ」です。これがないと、犬は「マテ」がいつ終わるのかを推測するしかなく、たいていは飼い主の注意がそれた瞬間に立ち上がってしまいます。
安定した「マテ」を支える三つの要素
トレーナーは「マテ」を三つの要素で考えます。時間、距離、そして誘惑(気が散るもの)です。それぞれが別のスキルで、よくある失敗は二つを同時に難しくしてしまうことです。
| 要素 | 意味 | 最初の小さな一歩 | その先の目標 |
|---|---|---|---|
| 時間 | 「マテ」を続ける長さ | 2 秒 | 1〜2 分 |
| 距離 | 飼い主が離れる距離 | 上体を後ろに引く、次に一歩下がる | 部屋の反対側まで |
| 誘惑 | 犬のまわりで起きていること | 体重を移す、一度手をたたく | 横を転がるボール、ドアのノック音 |
すべてをまとめるルールは一つです。ある要素を難しくするときは、ほかの二つを簡単にすること。長い「マテ」を求めるなら、静かな部屋で犬のすぐそばに立ちます。床におもちゃを落とす練習を加えるなら、近い距離での短い「マテ」に戻しましょう。
「マテ」を一歩ずつ教える手順
静かな部屋で、小さくてやわらかいおやつを用意し、犬がすでにオスワリかフセをしている状態から始めます。
- 「マテ」と一度だけ言います。ハンドサインを使いたい場合は、開いた手のひらを一瞬犬に向けます。
- 心の中で 1 秒数えます。犬がまだ姿勢を保っていたら「イエス」と言い、座ったまま、または伏せたままの状態でおやつを渡します。
- その場でもう一つおやつを渡してから解除の言葉を言い、一歩下がるか脚を軽くたたいて、立つように促します。
- これを 5〜6 回くり返し、少しずつ 3〜5 秒を目指します。
- 数分たったら、犬がまだ成功しているうちに練習を終えます。
数秒が簡単になったら、ごく小さなステップで距離に取りかかります。上体を後ろに引く、戻る、ごほうび。次は一歩下がる、戻る、ごほうび。その次は二歩。毎回、解除する前に犬のところへ戻ります。
誘惑は最後に加えます。最初はばかばかしいほど小さなものから始めましょう。靴ひもを結ぶためにかがむ、よそを見る、といった程度です。床のおもちゃや近くを通る人に進むのは、簡単なバージョンに犬が退屈するようになってからです。
どの要素にも使える目安があります。4〜5 回続けて成功したら少しだけ難しくし、2 回失敗したら次の数回を簡単にします。
呼び寄せずに戻ってごほうびを渡す理由
離れた場所での「マテ」を、犬を呼び寄せて終わらせたくなる気持ちはわかります。問題は、そこから犬が何を学ぶかです。
「マテ」がたびたび「オイデ」で終わると、犬は呼ばれるのを先読みするようになります。前のめりになり、飼い主が何も言わないうちに飛び出してしまうのです。「マテ」が、呼び戻しのための待合室になってしまいます。
飼い主が戻ることで、伝わるメッセージが変わります。ごほうびは犬が待っている場所に届くので、その場にとどまることこそが得になるのです。
呼び戻しの練習も大切ですが、別に行いましょう。「マテ」が安定してきたら、ときどき「マテ」のあとに呼び戻しを続けてもかまいません。ただし、大半の「マテ」は、飼い主が戻って解除する形で終わるようにします。
犬が「マテ」を破ってしまうとき
どんな犬でも、ときには早く立ち上がってしまいます。それが習慣になるかどうかは、飼い主の反応しだいです。
離れようとすると立ち上がる。 距離を伸ばすのが早すぎました。上体を引くだけ、または半歩に戻し、ごほうびを渡しに戻る回数を増やしましょう。
数秒で立ち上がる。 ごほうびの間隔が空きすぎています。1〜2 秒ごとにその場でおやつを渡し、それから少しずつ間隔を伸ばします。
飼い主が止まったり振り向いたりすると立ち上がる。 知らないうちに体の動きで解除してしまっているのかもしれません。解除の言葉を言わずに、止まる・振り向く動作をしてから戻る練習をしましょう。
じりじりと前に出てくる。 もっと近くに立ち、動き出す前にごほうびを渡します。マットやラグの上で練習すると、どこにいればいいのかが犬にとってわかりやすくなります。
家ではできるのに外ではできない。 新しい場所はどこでもゼロからのスタートと考えましょう。短い「マテ」、短い距離、たっぷりのごほうびが基本です。
犬が立ってしまっても、落ち着いて対応してください。静かに元の姿勢に戻し、より簡単なバージョンをくり返します。叱ると犬はこの練習に不安を感じやすくなり、「マテ」はかえって不安定になります。
フセの姿勢で落ち着かない様子があったり、以前は楽にできていた「マテ」を急に破るようになったりした場合は、体の不調が関係していることもあるので、獣医師に診てもらいましょう。何週間も進歩が止まっているなら、ごほうびを使ったトレーニングを行う資格のあるトレーナーに練習を見てもらうと、つまずいている点がわかるはずです。
「マテ」と「ウェイト」:二つの役割に二つの合図
両方の言葉を使う家庭も多いので、それぞれの意味を早めに決めておきましょう。
- 「マテ」 は「戻って解除するまで、この姿勢のままでいてね」という意味です。きちんとした合図で、終わりがはっきりしていて、飼い主は毎回犬のところへ戻ります。
- 「ウェイト」 はもっとゆるやかで、「ここでちょっと止まって、すぐに次へ進むよ」という意味です。犬は姿勢を変えてもよく、たいていは次の指示で終わります。ドアを通る、車から降りる、フードボウルのところへ行ってよいと言われる、といった場面です。
「ウェイト」は玄関や門、車のドアの前で役立ちます。来客が到着するときなど、犬に長めにじっとしていてほしい場面で頼りになるのは「マテ」です。生活の中で一つの合図で十分なら、「マテ」だけを教えてもかまいません。意味をいつも同じに保つことが大切です。
Dog Translator で練習を支える
「マテ」はほかのスキルの上に成り立つので、並行して何を練習するかを決めておくと役立ちます。Dog Translator には基本コマンドやトリックを扱う 64 のトレーニングクラスがあり、それぞれに写真と 5 つのステップのガイドが付いていて、犬ができるようになったら完了の印をつけられます。
決まった道筋に沿って進めたい方には、アプリの 3 つのコースが初級・中級・上級にクラスをまとめ、進み具合を保存するので、中断したところから再開できます。Dog Translator は無料でダウンロードでき、オプションの Premium サブスクリプションがあります。
よくある質問
犬はどのくらいの時間「マテ」ができればいいですか?
決まった目標はありません。日常生活では、飼い主が数メートル離れた状態で 1〜2 分落ち着いて待てれば、たいていの場面に対応できます。ゆっくり伸ばしていき、今のレベルが簡単になってから次を求めましょう。
子犬にも「マテ」を教えられますか?
はい、教えられます。最初は 1〜2 秒、静かな部屋で、その場でたくさんごほうびを渡すなど、ごく短くしてください。子犬はすぐに疲れるので、長い練習を 1 回するより短い練習を 1 日に数回するほうが効果的です。
毎回「マテ」と言う必要がありますか?
最終的にこの言葉を使わなくなるトレーナーも多くいます。解除の言葉をしっかり覚えた犬は、どの姿勢も解除されるまで続くものだと理解するからです。ただし教えている間は、一度「マテ」と言うことで、練習が始まったことを犬と飼い主の両方が意識しやすくなります。
犬が何度も「マテ」を破る場合はどうすればいいですか?
難易度を下げましょう。時間を短くし、距離を縮め、誘惑を取り除いて、犬がまた成功できるようにしてから、よりゆっくり進めます。問題が続く場合や犬が不快そうに見える場合は、獣医師や資格のあるトレーナーに相談してください。
Dog Translator チームが AI の支援を受けて執筆しました。Dog Translator に関する内容はアプリそのものに基づいています。他のアプリのメニュー名はバージョンによって変わることがあります。